マーリンズ、イチロー外野手（42）のメジャー3000安打のカウントダウンに合わせて球団がマイアミの本拠地球場で行っている観戦チケットなどの販売促進策がラストスパートに入っている。球団は28日（日本時間29日）、公式ツイッターで29日（同30日）のイチローの先発出場を告知する異例の集客策まで敢行した。

　29日のカージナルス戦は大リーグ史上30人目のメジャー通算3000安打に残り2本と迫って迎えた一戦。イチローは今季初の「3番・左翼」で先発した。

　前日に球団公式ツイッターには、異例のイチロー先発予告。「公式情報。イチローが明日のナイターに先発出場する予定。3000安打まで残り2本」。さらに「歴史を目撃する準備はできているか」と来場を呼び掛け、チケット購入画面へと導くリンクが張られた。

　この日は地元10連戦の8戦目で、この連戦中での記録達成が地元ファン、球団関係者に期待されている。“カウントダウン興行”も大詰めだ。「決して記録優先の起用はしない」と話してきたマッティングリー監督も、残り試合が迫ったことでイチローの先発を決めた。しかも、自由に打つことができる３番という打順も用意した。

　球団はこの10連戦で観客動員の大幅増をもくろんできたが、思ったほど伸びていない。前半戦平均の2万1000人を上回って、連日2万5000人程度は入っているものの、3万人を超えたのはまだ1日だけ。2万人を割り込む日もあった。球団は、このカウントダウンのためにイチローを獲得したといっても過言ではないだけに、もう一踏ん張りしたいところなのだ。

　試合前にはイチローのイラストのオークションが行われたり、イチローが6月にピート・ローズ（通算4256安打）を日米通算で超えた試合のラインアップ表、ユニホームが野球殿堂に寄贈された。イチローも球団サイドからの重圧を感じていることだろう。

　イチローは29日、三直併殺、捕ゴロ、遊ゴロ、空振り三振と4打数無安打に終わった。しかし4回1死三塁の守備で、タッチアップの走者をレーザービームで刺して観客を沸かせた。