アップルのロック解除問題、過半数が政府の味方
米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を政府が求めている問題で、国民の過半数が政府側を支持していることが、米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの最新調査で分かった。
カリフォルニア州サンバーナディーノ郡で昨年発生した銃乱射事件の容疑者が使用していたアイフォーンのロック解除を求める検察当局の訴えを受けて、裁判所はアップルにロック解除に協力するよう命令したが、同社はこれを拒否する意向を示した。シリコンバレーにはアップルの姿勢に同調する大手IT(情報技術)企業の経営者も多い。その中にはグーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)やツイッターのジャック・ドーシーCEOも含まれる。彼らは、政府の監視の目からプライバシーを守る戦いで、自分たちはアップル側につくと述べている。
だが、米国人の過半数は異なる見解を持っている。ピュー・リサーチに回答を寄せた米国人のうち、連邦捜査局(FBI)の捜査に協力するためアップルはアイフォーンのロックを解除すべきだと回答した人は半数をやや上回る51%に達した。ユーザーの個人情報を守るために、ロック解除に協力すべきではないと回答した人は38%にとどまった。11%の人は意見を示さなかった。調査は1002人の成人を対象に実施された。
アップルは政府に協力すべきだと回答した人の支持政党別にみると、共和党支持者は56%、民主党支持者は55%で支持政党による違いはなかった。
この調査結果はシリコンバレーと一般国民との断層を浮き上がらせた。国民は深く分裂していると回答した人は、どちらのサイドにも同程度いた。
オンライン調査会社サーベイモンキーが先週末に実施した世論調査でも同様の結果となった。