スマホが危ない!GPS情報・通知せず提供=捜査利用―ドコモ
NTTドコモが今月発売するスマートフォンの新モデルから、本人に通知せずに捜査機関に全地球測位システム(GPS)の位置情報を提供できるよう端末上の対応を取ることが17日、分かった。総務省が昨年6月、電気通信事業者向けの個人情報保護指針を改定したことを受けた措置。KDDI(au)、ソフトバンクも対応を検討しており、携帯端末の対象機種が拡大しそうだ。
保護指針はこれまで、携帯電話会社が捜査機関に位置情報を提供する際、裁判所の令状と本人への通知を義務付けていた。しかし、本人通知が捜査上の支障になるとして、警察などの意向を踏まえ政府が見直しの方針を閣議決定。総務省はこれを受け、通知義務の規定を削除し令状だけとする新指針を施行した。
携帯電話会社は、捜査機関の要請で、利用者端末の位置情報を提供することがある。総務省のガイドラインは従来、位置情報の取得に際し、①裁判所の令状、②位置情報取得時の本人への通知、を求めていた。
電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン
第2章 個人情報の取扱いに関する共通原則
(取得の制限)
第4条 電気通信事業者は、電気通信サービスを提供するため必要な場合に限り、個人情報を取得するものとする。
2 電気通信事業者は、次の各号に掲げる個人情報を取得しないものとする。ただし、自己又は第三者の権利を保護するために必要な場合その他社会的に相当と認められる場合はこの限りでない。
一 思想、信条及び宗教に関する事項
二 人種、門地、身体・精神障害、犯罪歴、病歴その他の社会的差別の原因となるおそれのある事項
・・・・省略
第3章 各種情報の取扱い
(位置情報)
第26条 電気通信事業者は、利用者の同意がある場合、裁判官の発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合を除いては、位置情報(移動体端末を所持する者の位置を示す情報であって、発信者情報でないものをいう。以下同じ。)を他人に提供しないものとする。
2 電気通信事業者が、位置情報を加入者又はその指示する者に通知するサービスを提供し、又は第三者に提供させる場合には、利用者の権利が不当に侵害されることを防止するため必要な措置を講ずるものとする。
3 電気通信事業者は、第4条の規定にかかわらず、捜査機関からの要請により位置情報の取得を求められた場合において、当該位置情報が取得されていることを利用者が知ることができるときであって、裁判官の発付した令状に従うときに限り、当該位置情報を取得するものとする。
4 電気通信事業者は、前項のほか、救助を要する者を捜索し、救助を行う警察、海上保安庁又は消防その他これに準ずる機関からの要請により救助を要する者の位置情報の取得を求められた場合においては、その者の生命又は身体に対する重大な危険が切迫しており、かつ、その者を早期に発見するために当該位置情報を取得することが不可欠であると認められる場合に限り、当該位置情報を取得するものとする。
改正事項
位置情報について(ガイドライン第26条及び同条の解説)
犯罪捜査の場合における位置情報の取得(第3項)について、「当該位置情報が取得されていることを利用者が知ることができるときであって」との要件を削除。
電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン 本文(平成27年6月24日版)
電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン 解説(平成27年6月24日版)