約2人に1人が「自動ブレーキ」について誤った認識
JAF(日本自動車連盟)は5月25日、「自動ブレーキ」「ぶつからないクルマ」などと呼ばれているASV(先進安全自動車)についての調査結果を発表した。
全国のドライバー3万5614名を対象に、JAFの公式サイト内で行なわれた今回の調査では、近年普及が進んでいる「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」についての関心度、認知度、理解度が調べられた。
まず「ニュースやCM等で話題の『自動ブレーキ』や『ぶつからないクルマ』を知っていますか?」という問いに対し、97.3%のドライバーが認知していると回答した一方で、その機能や効果まで知っている人は50.4%、装置が作動しない条件も知っている人は24.8%と低く、認知の割に実際の理解はまだまだ進んでいない実態が明らかになった。
次に「『自動ブレーキ』や『ぶつからないクルマ』はどんな装置ですか?」との質問には、その特性を「衝突の危険がある時に、音や警告灯でその危険を促すとともに、クルマが自動的にブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減する装置」と正しく答えた人は54.6%で、約2人に1人が「自動ブレーキ」に対して過度に信頼をしており、十分な理解が進んでいない実態が浮き彫りになった。
誤った回答として最も多かったのは「前方のクルマや障害物等に対し、クルマが自動的にブレーキをかけて停止してくれる装置」(39.8%)で、次いで「クルマが発進する際や走行中に、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ装置」(4.1%)、「ブレーキ操作を行なわなくてもよい装置」(1.3%)、「分からない」(0.3%)と続いた。
一方、「自動車に関する様々な先進技術について内容を知りたいと思いますか?」という質問に対しては、91.4%のドライバーが「内容を知りたい」と回答。また、「先進技術の導入によって「運転操作や判断ミスの防止」(84.5%)、「運転疲労の軽減」(10.8%)といった効果が期待されているとの結果が出た。
これを受け、JAFでは「その機能や性能は、車種によって異なっており、また、天候や道路状況によってはシステムが十分に作動しない場合もあるなど、『自動ブレーキ』はあくまでもドライバーを補助するシステムであり、万能ではありません」と呼びかけている。
なお、「自動ブレーキ」「ぶつからないクルマ」はあくまで安全運転をサポートする装置であること、「完全自動運転」の実用化は2030年ごろとまだまだ“先の話”であることを伝え、ドライバーの注意喚起と正しい理解の促進を図ることを目的に、イラストなどを用いて視覚的に分かりやすく伝えるインフォグラフィック「自動車の未来」をJAFのWebサイト内で公開している。