G7とは一線、中露へのメッセージも焦点
伊勢志摩サミットでは、G7とは一線を画す中国とロシアに対し、どのようなメッセージを発することができるかにも注目が集まる。
中国を巡っては、南シナ海での人工島造成を含む一方的な軍事拠点化と、ベトナムなど沿岸諸国との領有権に関する対立が深刻な問題となっている。昨年のドイツ・エルマウサミットの首脳宣言では、「緊張を懸念」するとの文言が盛り込まれた。27日に採択される伊勢志摩サミットの首脳宣言では、中国を念頭に南シナ海の状況に懸念を示した上で、「紛争の平和的解決」などを求める方向で調整している。
安倍首相は25日の日米首脳会談後の共同記者会見で「何か主張する時は国際法にのっとって主張するべきで、武力による威嚇や一方的な現状変更は行うべきではない」と述べ、中国の動きをけん制した。
安倍首相「世界経済はリスクに直面という認識で一致」
主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の初日のテーマだった世界経済について、安倍晋三首相は26日夕、「世界経済は大きなリスクに直面しているという認識について一致することができた」と語った。その上で、財政政策や構造改革で連携を打ち出す「伊勢志摩イニシアチブ」について、「リスクに立ち向かうためにイニシアチブを取りまとめることができた。大きな成果だ」と強調した。
サミット会場の三重県志摩市で記者団に語った。首相はまた、「イニシアチブに基づき、アベノミクス3本の矢を世界で、G7で展開することとなった」と述べ、自身の進める経済政策に各国首脳から賛同を得たとの認識を示した。このほか、東シナ海や南シナ海の現状などの「海洋の安全保障でも、有意義な議論を展開することができた」と述べた。
G7とは
「Group of Sevenの略」
G7は、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7か国の先進国ことです。
これら7か国によるG7財務大臣・中央銀行総裁会議では、世界の経済・金融情勢や国際通貨制度、金融規制・監督などについて意見交換を行っています。G5と呼ばれていた先進5か国にカナダ、イタリアを加えて、1986年(昭和61年)から開催されるようになりました
ユーロ発足に伴い、欧州中央銀行(ECB)総裁、ユーログループ議長も出席しています。