AKB48総選挙まで1週間 新潟で準備急ピッチ
人気アイドルグループ「AKB48」の新曲を歌うメンバーをファンの投票で決める「第8回AKB48選抜総選挙」が18日、新潟市中央区のハードオフエコスタジアムで行われる。新潟での開催は初めてで、全国のファンが一堂に新潟に訪れることが予想され、市や地元商工会議所は「新潟の魅力を県外に発信する大きなチャンス」と、官民一体でPRや受け入れ準備に追われている。
新潟市は観光庁の簡易測定ソフトを用い、イベントが行われることによる県内への経済波及効果が15億6000万円に上ると試算した。スタジアムは2万5000人を収容し、総選挙前にもコンサートが開催されることから、重複も含め5万人が市内に訪れると想定。うち市が行ったホテルなどへの聞き取り調査から市内に7000人、市外に8600人が宿泊すると仮定し、食事や宿泊などで大きな経済効果が見込まれるとした。
関西大学(大阪府吹田市)の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)も県内で約24億円の経済効果があるとの試算結果を示し「たった1日間のイベントでこれほどの経済効果をもたらす総選挙は、地域に活性化をもたらすビッグイベントであると言える」と分析した。
新潟を訪れるファンへのもてなしの準備も急ピッチで進んでいる。市はJR新潟駅周辺にイベントの看板やポスターを掲示するほか、イベント当日にはスタジアム周辺に農産物の試食ブースを設置する。商工会議所も飲食店マップなどをホームページなどで発信する。
大勢のファンが一度に押し寄せるとあって懸念されているのがスムーズな人の輸送や宿泊難民への対応だ。市は駅とスタジアム間の輸送に連節バス2台を導入。JR東日本も上越新幹線の臨時便6本を運行する。イベント告知直後に一気に満室となったホテルや旅館は、キャンセルなどで若干の空きがあるというが、いずれも高い価格設定が続いているという。宿泊先にあぶれたファンの受け皿として、駅周辺の飲食店は、イベント翌日の始発列車の時間まで営業時間を延長する。
1月には姉妹グループ「NGT48」の劇場も市内にオープンし、アイドル文化にわく新潟。一過性の経済効果ではなく、訪れたファンをリピーターとして獲得することも期待され、官民の手腕が注目される。