風営法改正 クラブ、23日から終夜OK=14都府県で申請70件―改正風営法施行
音楽に合わせて客がダンスを踊る「クラブ」営業の規制を緩和し、一定の条件で終夜営業を認める改正風営法が23日、施行される。
全国の警察は施行日の午前0時から営業できるように事前の許可申請を受け付けており、警察庁によると、申請は5月末までに14都府県で70件に上った。
改正法はダンスホールなどを対象から外し、店内の明るさや営業時間に応じて規制する。酒類も提供するクラブは、明るさが上映前の映画館並みの10ルクス超などの基準を満たせば「特定遊興飲食店」として、都道府県公安委員会の許可を得て朝までの営業が可能となった。
営業可能な地域は、栃木と滋賀、和歌山を除く44都道府県が条例を改正し、繁華街などを指定している。
特定遊興飲食店
1.特定遊興飲食店営業は、「深夜+遊興+飲酒」の全てを満たす営業。
2.「遊興」とは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせること。
3.「営利性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。
4.「継続性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。
5.飲食をさせる「設備」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。
特定遊興飲食店営業というのは、次の3つを全て満たす場合の営業形態だということです。
1.深夜(午前0時から午前6時まで)に営業すること
2.客に「遊興」をさせること
3.客に「酒類」を提供すること
◆ 深夜に営業
深夜というのは、「午前0時から午前6時まで」をいいます。現行風営法では、深夜とは「午前0時から日の出まで」とされていたのですが、今回の改正風営法で時間が明確にされました。
特定遊興飲食店営業は、あくまで深夜に営業するものを指しますので、午前6時から翌午前0時までのみの営業の場合には、特定遊興飲食店営業の許可を取得することなく営業することが可能です。
すなわち、ライブハウスや劇場などで、深夜営業を行わない店舗は、お酒を販売していたとしても、特定遊興飲食店営業の許可を取得する必要はありません。この部分は誤解されている方もいらっしゃるようですので、お気をつけください。
◆ 「遊興をさせる」とは?
警察庁は、特定遊興飲食店営業として規制対象となる「遊興」は、「営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる場合」であるとしています。
そして、警察庁は、「遊興」を鑑賞型、参加型の2類型にわけたうえで、どのような行為が「客に遊興をさせる」行為にあたるかの具体例を示しています。
示された具体例は、下記のとおりです。
「客に遊興をさせる」ことにあたる場合の具体例
1.不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
2.不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
3.客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
4.のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
5.カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
6.バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為
◆ 特定遊興飲食店の技術上の基準
1.客席の床面積は1室の床面積を33平方メートル以上とする。
2.客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
3.善良な風俗もしくは清浄な風俗環境を害し又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
4.客室の出入口に施錠設備を設けないこと。
5.営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
6.騒音又は振動の数値が法31条の23において準用する法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること(商業地域であれば最大60デシベル以内)