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ソニン「自分の居場所を見つけた」 舞台女優として生きる今

pr_master_880-1537 ソニン(33)の活躍が止まらない。アイドルユニットEE JUMPや、ソロ名義のシングル「カレーライスの女」で注目を浴びた彼女の現在の活躍をあまり知らない人もいるだろう。しかし、彼女はいま、パワフルな歌声と芝居を武器に、舞台で躍進中なのだ。現在もトニー賞で年間最多の13部門にノミネートされた『キンキーブーツ』の日本人キャスト版(小池徹平と三浦春馬がW主演)で、ヒロインのローレンを好演中のソニン。舞台女優への道を、「このまま死んでもいいと思った」「居場所を見つけた」と振り返った。

 もともとはアイドル的な立ち位置で活動していたソニンに転機が訪れたのは、ミュージカル『スウィーニー・トッド』(07)『ミス・サイゴン』(08)だった。「ミュージカルって観客としても観た経験がほぼなかったんです。初舞台からしばらくして、『スウィーニー・トッド』のオーディションがあって、ミュージカルのことはよく分からなかったけれど、大竹しのぶさんが出ると聞き、とにかくご一緒したくて受けました。ちょうど同じ時期に『ミス・サイゴン』にも合格して、そこからもっと舞台をやってみたいと思うようになったんです」。

 この2つの舞台がソニンを変える。「『スウィーニー・トッド』で、初めて役として生きるという感覚を体験したんです。役が抜けずにふるえちゃって、役を生きるってこういうことなんだ!って楽屋で泣いたのを覚えています。そして『ミス・サイゴン』でのキムが自害するラストシーンで、『あー、わたし、このまま死んでもいい』と思った時、死という究極のシチュエーションで、自分の居場所を見つけた気がしたんです。目標をもって、夢を持って上京したはずなのに、現実がなかなか結びつかなくてずっとモヤモヤしていた自分の、現実と思いがパッと一致した。舞台の世界に来てよかったと」。

 そして今年、演劇界で名誉ある賞、菊田一夫演劇賞を受賞した。しかしここまで来る間には、1年間、芸能活動を休止していた時期もある。12年に、文化庁による海外研修制度でニューヨークに留学していたためだ。「技術はもちろんだけど、気持ちが大きく変わった」とソニンは述懐する。

 「舞台に立てる喜びを得たけれど、今度は思いが強くて、それについてこない現実にまたモヤモヤし始めた(苦笑)。そんなとき、一人旅でNYに行って、今必要なものがここで見つけられる、ここで何かを吸収したい!って思ったんです。その思いを4年間くらい募らせるなかで、文化庁の制度を知って留学しました。そこで本当に何もできない自分を直視したり、自分のスタイルを貫いている人たちと接することで、いつでも完璧である必要はないと思えるようになった。自分のありのままを受け入れることで、自分のベストを出せるんだと気づきました」。

 本場ブロードウェイの舞台にも、「もちろん立ちたい!」と力強く宣言。瞳を輝かせながら、次のように語った。「今回のミュージカル『キンキーブーツ』もハッピーなものですが、ハッピーであることって、すごく大切だなって思うんです。みなさんそうだと思いますけど、私もたくさん泥水を飲んできました(苦笑)。そうした時間を経て、やっぱり人をハッピーにできる人やモノってすごいと改めて感じています。年齢も33ですし、自分のことに必死なだけじゃなくて、パフォーマーとしても人としても、人に優しさや温かさを与えられるようになりたいですね」。快進撃はまだまだ続く。

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【最終更新日】  2016年8月15日(月)

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