新元号の原案として六つの元案が政府関係者から明らかに。
新元号の候補六つの案
・令和(れいわ)
・英弘(えいこう)
・久化(きゅうか)
・広至(こうし)
・万和(ばんな)
・万保(ばんぽう)
政府が「平成」に代わる新元号の候補案として1日の「元号に関する懇談会」などに提示した六つの原案に、新元号に決定した「令和(れいわ)」のほか、「英弘(えいこう)」「久化(きゅうか)」「広至(こうし)」「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」の5案があった。政府関係者が2日、明らかにした。
関係者によると、「英弘」の出典は国書。「広至」は中国最古の詩集「詩経」からの引用で、国書にも典拠がある。「万和」は中国の詩文集「文選(もんぜん)」ともう一つの漢籍にも典拠がある。「万保」も漢籍が出典という。六つの案のうち3案は漢籍、3案は国書を出典としている。複数の関係者によると、国書は「令和」の出典となった万葉集のほか、日本書紀、さらに古事記もあるという。
政府は、3月14日付で学識者に新元号の考案を正式に委嘱。候補案を6案に絞り込み、1日の有識者9人による「元号に関する懇談会」、衆参両院の正副議長、全閣僚会議にそれぞれ提示した。
最終的には、安倍晋三首相が全閣僚会議で一任を受け、最も賛同が多かった「令和」に決め、続く臨時閣議で新元号を定める政令を閣議決定した。首相は1日夜のテレビ朝日の番組で「(懇談会の)全員から国書を選ぶべきだと意見があり、多くが令和を支持した」と説明した。
政府は令和以外の原案について、その数や内容、考案者を公表していない。しかし、委嘱した学識者は、万葉集研究で知られる中西進・大阪女子大名誉教授(89)=日本文学▽石川忠久・元二松学舎大学長(86)=中国文学▽池田温・東京大名誉教授(87)=中国史――らだったとみられる。関係者によると、令和は中西氏、万和は石川氏の案とみられる。