安倍内閣不信任決議案を否決
衆院は31日の本会議で、民進、共産、社民、生活の野党4党が共同提出した安倍晋三内閣に対する不信任決議案を、自民、公明両党とおおさか維新の会などの反対多数で否決した。賛成は124票、反対は345票だった。
これに先立ち、民進党の岡田克也代表は不信任案の趣旨弁明で「アベノミクスの失敗を正直に認めて、公約違反を国民に謝罪し、即刻退陣すべきだ」と批判した。同時に「重大な経済失政により消費税を引き上げられる状況をつくり出せなかった」と強調。与党が成立を強行した安全保障関連法に関し「憲法違反であることは明らかだ。憲法の平和主義を捨て去り、限定のない集団的自衛権の行使に道を開く」と反対姿勢を鮮明にした。
これに対し、自民党の松本純衆院議員は「アベノミクスにより雇用や所得環境は順調に改善を続け、日本経済は着実に回復に向かっている」と反論。不信任案を提出した野党を「党利党略、パフォーマンス政治そのものだ」と批判した。
安倍首相の海外出張費88億円=2次政権以降、外遊40回分(1回分/2.2億円)
政府は31日の閣議で、安倍晋三首相が2012年12月の第2次政権発足以降、41回の海外出張を行い、うち決算または精算済みの40回分の費用は総額約87億7400万円に上ったとする政府答弁書を決定した。
民進党の井坂信彦衆院議員の質問主意書に答えた。
答弁書によると、首相はこれまでに延べ92カ国・1地域を訪問。訪問日数は計204日、随行人数は延べ4643人だった。1回当たりの最高宿泊額と宿泊先は「警備上、外交上の観点」から明らかにしなかった。
首相外遊の1回の平均費用は約2億1900万円。答弁書は、首相外遊について「国益確保とともに、国際社会の平和と安定の寄与に指導力を発揮することは大きな意義がある」と説明。「節約に努めており、経費は適正」と強調した。
本会議採決日 | 内閣 | 決議案 | 採決 | 可 | 否 | 票差 |
---|---|---|---|---|---|---|
2006年 (平成18年) 12月15日 | 第1次安倍内閣 | 不信任 | 否決 | 134 | 335 | 201 |
2007年 (平成19年) 6月29日 | 第1次安倍内閣 | 不信任 | 否決 | 130 | 330 | 200 |
2013年 (平成25年) 12月6日 | 第2次安倍内閣 | 不信任 | 否決 | 少数 | 多数 | 不明 |
2015年 (平成27年) 9月18日 | 第3次安倍内閣 | 不信任 | 否決 | 139 | 325 | 186 |
2016年 (平成28年)5月31日 | 第3次安倍内閣 | 不信任 | 否決 | 124 | 345 | 221 |