診療や予防に活用のため、遺伝性がんの情報登録始まる
遺伝性の乳がんや卵巣がんの発症にかかわる遺伝子の検査を受けた人の情報を、全国の医療機関から集めてデータベース化する登録事業が始まった。遺伝性の乳がんや卵巣がんは、米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳房の予防切除をしたことで関心が高まったが、日本人の発症率や診療成績などのデータは不足している。全国登録のデータを解析し、患者の診療や予防に役立てる。
登録は、研究団体「日本HBOCコンソーシアム」が実施し、全国の約40医療機関が参加する予定。対象は、乳がんや卵巣がんの発症にかかわる「HBOC」という遺伝子について検査を受け、同意が得られた人。各施設が倫理審査委員会の承認を得た後、匿名化した情報を今年8月までに入力する。その後は年1回、データを更新する。
乳がんや卵巣がんの5~10%は、遺伝子の変異が強くかかわっているとされる。欧米のデータでは、BRCA遺伝子に変異がある人は、一生のうちに乳がんにかかる可能性が一般の人の6~12倍、卵巣がんは8~60倍という。
登録するのは、検査の結果やがんの有無、進行度、治療内容、予防切除の有無など。親族でがんを発症した人がいれば、その情報も登録する。
がん研有明病院の新井正美・遺伝子診療部長は「発症のリスクの高い人には効果的な検診などが重要。対策に役立てたい」と話す。
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【最終更新日】 2016年7月2日(土)
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