東京都知事選挙 小池百合子氏が女性初都知事 当選
舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は31日投開票され、元防衛相の小池百合子氏(64)の初当選が確実となった。元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、こころ推薦=やジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=らを破った。初の女性都知事が誕生する。都知事が3代続けて任期途中で辞職しており、保育所待機児童や高齢化、防災など首都が抱えるさまざまな課題に有効な対策が講じられていない。小池氏には混乱した都政の立て直しが求められる。
都選挙管理委員会はまだ開票状況を発表していないが、毎日新聞が実施した出口調査や取材結果から、小池氏は順調に票を伸ばす見通し。
この5年余で4回目となる今回の都知事選は、史上最多の21人が立候補した。小池氏が所属する自民党は増田氏を推薦して1999年以来の分裂選挙となる一方、野党4党は統一候補として鳥越氏を擁立し、政党が前面に出る選挙戦が展開された。国政の対立構図が持ち込まれたが、有権者は政党の支援を受けない小池氏を選択した。
自民党衆院議員だった小池氏は主要候補者でいち早く手を挙げた。候補者選定を自民党都連幹部に一任するとの方針に背いた出馬表明に都連側は反発したが、小池氏は逆手に取る形で対決姿勢を鮮明にし、都連や自民党都議の批判を繰り広げた。公約で不信任案可決を踏まえた「都議会冒頭解散」を打ち上げ、選挙戦では「東京大改革」「たった一人の戦い」を強調して支持を広げた。
政策では、遊休空間の活用による待機児童の解消、無電柱化の推進といった防災対策、2020年東京五輪・パラリンピックをはじめとした都の事業を巡る利権の追及などを掲げた。シンボルカラーの緑色を身につけてもらう「参加型選挙」を演出してメディアへの露出を増やし、高い知名度を最大限に生かした。
小池百合子「東京大改革宣言」
【 セーフシティ 】
・住宅の耐震化・不燃化の推進
・都道の電柱ゼロ化、技術開発支援
・多摩格差をゼロへ
【 ダイバーシティ 】
・待機児童ゼロを目標に保育所の規制を見直し
・ライフ・ワーク・バランスの実現を、都庁が先行実施
・満員電車をゼロへ
・給付型奨学金を拡充し、英語教育を徹底
【 スマートシティ 】
・エコハウス・スマートハウスの補助強化
・街灯や公共施設のLED化
・東京ブランドを確立し、観光・インバウンド客を増大
行財政改革、政治とカネ、東京五輪の政策は
選挙期間中に実施したYahoo!ニュースの「意識調査」では、有権者は「都の行財政改革」、「政治とカネの問題」、「東京五輪の予算削減策」に関心が高いことがわかりました。
この3点について、小池氏が選挙中に話した内容をまとめてみました。
都の行財政改革
「行財政改革を進めることで子育て介護への財源を確保していく」 「削る改革を進める。知事報酬には半減」
政治とカネの問題
「もっと情報公開をし、透明化をし、そして都民の目の前にさらす」 「公私混同があるかないかが一番大事。私は飲食は政治資金から一切除外」 「政治資金規正法を国会議員に近い形にセットするのも必要ではないか」
東京五輪の予算削減策
「予算の運営が適正に行われているかどうか改めてチェック」 「『タバコフリー』を進めていかなければならない」
2016 東京都知事選 選挙結果
立候補者数:21名
有権者数:11,083,306人
投票率:59.73%
立候補者氏名 | 投票数 | ||
---|---|---|---|
当選 | 小池百合子 | 2,912,628 | 無新 |
増田 寛也 | 1,793,453 | 無新 | |
鳥越俊太郎 | 1,346,103 | 無新 | |
上杉 隆 | 179,631 | 無新 | |
桜井 誠 | 114,171 | 無新 | |
マック赤坂 | 51,056 | 無新 | |
七海ひろこ | 28,809 | 諸新 | |
立花 孝志 | 27,241 | 諸新 | |
高橋 尚吾 | 16,664 | 無新 | |
中川 暢三 | 16,584 | 無新 | |
山口 敏夫 | 15,986 | 諸新 | |
岸本 雅吉 | 8,056 | 無新 | |
後藤 輝樹 | 7,031 | 無新 | |
谷山雄二朗 | 6,759 | 無新 | |
武井 直子 | 4,605 | 無新 | |
宮崎 正弘 | 4,010 | 無新 | |
望月 義彦 | 3,332 | 無新 | |
山中 雅明 | 3,116 | 諸新 | |
今尾 貞夫 | 3,105 | 無新 | |
内藤 久遠 | 2,695 | 無新 | |
関口 安弘 | 1,326 | 無新 |