成田・羽田空港舗装工事で談合 8社に立ち入り 震災復旧で6社は起訴の業者も
成田空港(千葉県)と羽田空港(東京都)の滑走路などの舗装工事の入札で談合をしていた疑いが強まったとして、公正取引委員会は2日、道路舗装大手8社の本社や支店などを独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査した。
8社は、東日本大震災後の東北地方や関東地方の高速道路の復旧工事でも談合をしていた疑いがあるとして、同法違反容疑ですでに立ち入り検査を受けている。公取委は各社がさまざまな舗装工事で談合を繰り返していたとみて調べる方針だ。
立ち入り検査を受けたのは、日本道路、NIPPO、前田道路、鹿島道路、大成ロテック、東亜道路工業、世紀東急工業、大林道路(いずれも東京都)。
関係者によると、両空港の滑走路のほか、東京都内の港湾のコンテナ置き場や都道などの舗装工事の入札でも談合をしていた疑いがあるという。発注元は成田国際空港会社▽国土交通省東京航空局▽東京港埠頭(ふとう)会社▽東京都で、一般競争や指名競争で入札が行われていた。
1件2億円以上のものが大半で、大きな工事では10億円を超える。国などの資料によると、舗装工事件数と落札額(税込み)は、成田空港が2011~2015年度の合計で23件計126億円▽羽田空港が同9件計約25億円。東京港埠頭では2015年度に3件計約21億円▽東京都は同22件計約50億円(1件2億円以上の工事のみ)だった。
公取委は、各社が遅くとも数年前から、それぞれの舗装工事の入札で落札者や入札額を事前に話し合っていたとみている模様だ。
8社のうち6社は、東北地方の高速道路の復旧工事で談合に関わったとして、東京地検特捜部から同法違反の罪で起訴され、公判が続いている。
日本道路やNIPPO、前田道路など各社は、立ち入り検査の事実を認め、「調査に全面的に協力します」とコメントした。