歌舞伎町、ゴジラが変えた 縁遠かった家族連れや女性も
日本最大級の歓楽街、東京・新宿の歌舞伎町に先月から出現している「実物大」ゴジラが、その抜群の知名度とインパクトで、これまで歌舞伎町に縁遠かった家族連れや女性客を呼び寄せている。特に夜間は「近寄りがたい」印象の強かった町に、これまで見られなかった女性グループなどが増えたといい、「ゴジラが来て街が変わった」と、地元は歓迎している。
ゴジラが現れた新宿東宝ビルは2008年に半世紀以上の歴史に幕を閉じた「演歌の殿堂」新宿コマ劇場の跡地に立つ。都内最新最大級の複合型映画館「TOHOシネマズ新宿」と30階建て高層ホテル「ホテルグレイスリー新宿」を核とする。8階テラスに設置されたゴジラの頭部は高さが12メートルあり、地上からは52メートルの高さになる。初代ゴジラや1992年に公開された「ゴジラVSモスラ」登場時の身長とほぼ同じ。圧巻の存在感に加え、ライトアップや音響システムによる「うなり声」、ミストを使った「煙」をはく演出もある。東宝によると、昨年ハリウッド版ゴジラがヒットしたことにより、世界的な知名度を再認識。1991年の「ゴジラvsキングギドラ」などでたびたび破壊されてきた新宿から国内外に魅力を発信したいと建設が決まった。
併設するホテルは、ゴジラの目線の高さになる9階と10階に、窓いっぱいに横顔が眺められる客室「ゴジラビュールーム」を6部屋用意した。料金は1万5千円から(6月末まで。7月からは料金変動で一般室のインターネット予約料金プラス5千円)。最上階には1日1組限定の特別室「ゴジラルーム」も設けた。ドアを開けると人間の身長ほどのゴジラが出迎える。窓ガラスにはモスラなどの怪獣が彫り込まれ、さながら新宿が襲われているように見える。ベッドルームの壁からは、ゴジラの巨大な前脚がつかみかかるように飛び出す。平日3万9800円から、土曜と祝前日が4万9800円(6月末まで。7~9月の繁忙期はそれぞれ4万9800円、5万9800円)という値段ながら、すでに8月末まで予約で埋まっている。ゴジラはハリウッドでも映画化されており、さらに広く外国人観光客にもPRしたいと、世界27カ国に向けてインターネットでPRしている。