1年で10倍 歌舞伎町“ぼったくりキャバクラ”再び急増のワケ
歌舞伎町でぼったくりキャバクラの摘発が続いている。今月13~14日には6店舗に捜査が入り、キャバ嬢1人を含む11人のほか客引き17人が逮捕された。そのうちの一軒では9人グループの客が「全部込みで1人4000円」という客引きの誘い文句を真に受け、172杯のドリンク代として266万3000円を請求された。
「キャバ嬢が飲んだのは28杯。客は店内でもキャバ嬢から“4000円で大丈夫”と言われ、信用してしまった。支払いを拒否すると、こわもての従業員から“払えば楽になる。仕事じゃなかったら、おまえ生きてねーぞ”と脅されたそうです」(捜査事情通)
歌舞伎町のぼったくり件数は急激に増えている。新宿区によると、昨年1~4月に106件だった110番通報が、今年は1052件になった。約10倍の大幅増だ。
「被害者の多くは酔っぱらって、誰に、どこの店に連れ込まれたのかも覚えていません。“3000円で飲み放題”などの言葉を信じて大金を請求されています。午後9時以降は客引きに声を掛けられたら注意が必要です」(新宿区区長室危機管理課)
現在、歌舞伎町にはぼったくり店が20軒あるとされるが、風俗ライターの蛯名泰造氏は「それは氷山の一角にすぎない」と言う。
「被害が増えたのはキャバクラ不況が原因です。売り上げが減り、これまで1、2割上乗せするプチボッタでしのいでいた“優良店”まで本格的なぼったくりに乗り出したのです。女の子が飲むカクテルは1杯7000円。店内で被害者が警察に電話しようとしても、市販の電波妨害機器によって携帯が使えないようにしている。黒人の客引きは警察が来ると“日本語わからない”と英語でケムにまくなど悪質な手を使っています」
まもなくボーナスシーズン。甘い言葉にはご用心だ。