マイナンバーで風俗嬢激減ピンチ? “兼業OL”仕事バレや情報漏洩の恐れ
10月から番号が通知され、来年1月から運用される「マイナンバー」制度。国民一人ひとりに12ケタの番号が割り当てられ、義務である納税などをガラス張りにするのが目的だ。税金の支払いなどをしっかり守ってもらおうとする構想はいいが、予想外のところに激震が走りそうだ。その筆頭がサラリーマンの憩いの場、風俗業界。一体どういうことなのか。
マイナンバー制度は国内に住民票がある国民に12ケタの番号を割り当て、国や自治体が社会保障や納税関連の情報を効率的に管理できるようにする制度。構想の原点は、国民の「金の流れ」を把握することで税逃れを防ぐことにある。
運用後の来年1月以降は、従業員は会社にマイナンバーを届けなくてはならない。仮に副業をしている場合、その副業先にも届けることになる。
サラリーマンもOLも社規で兼業を禁止されているケースがほとんどのため、ハレーションはそれほどないと思えるが、実はそうでもない。
「水商売や風俗で働く女の子のほとんどが昼の仕事との掛け持ちで、(風俗店に届け出る)マイナンバーから回り回って会社に夜の仕事がバレないか不安がっている」(風俗業者)というのだ。
「例えば、住民税は『前年の収入』に基づいて計算される。性風俗店から得た収入を含む総収入から計算された税金の額が、市役所などを通して会社の経理担当者に伝えられれば、『給料に対して税金がえらく多い』と判断されることになるだろう」と話す。
バイト先自体は個人情報のため、「行政側から(会社に)明かされるわけではない」。だが、デリヘルやソープランドを副業とする“兼業OL”の少なくない数が、副業の収入の方が上回っているとみられ、住民税の多さで社内に妙な噂が広がる恐れはある。
それだけではない。
「事業者は、そこに勤務した人物のマイナンバーを税務上、7年間保管する義務を負う。また、マイナンバーを預けていた人は、どんな管理をしているか請求できる権利を持つ。委任状があれば、本人でなくても請求が可能だ」。
風俗業の事業者の保管方法がずさんな場合、マイナンバーが漏れ、委任状などを使われて第三者に情報が抜き取られるリスクもゼロではない。
1936年から「社会保障番号」制度を持つマイナンバー先進国の米国では、今年5月下旬、本人になりすまし、最大で1万3,000人分、3,900万ドル(約47億円)の税金の還付金が詐取される事件も起きている。
ゴタゴタを敬遠して風俗嬢が激減しかねないマイナンバー制度。1月以降、「男のオアシス」の行方がただただ気になる。