「保育園落ちた日本死ね！！！」と題した匿名のブログをきっかけに保育制度の充実を求める署名が広がり、６日間で２万７千人余分が集まった。参加した母親らは９日、国会を訪れて署名簿を塩崎恭久厚生労働相に手渡した。当事者からの切迫した訴えに、政権も対応を迫られている。

　「主人の収入は少なく、働かねばなりませんが保育園に入れてもらえませんでした。子どもをおぶってもよければ働きたいが、社会が許してくれない。子どもの多いお母さんを見るとうらやましくて涙が出る」

　この日の衆院厚労委員会。民主党の山尾志桜里氏は、署名に添えられたこんなコメントをまじえて塩崎厚労相に質問した。

　署名は「子どもをいつでも安心して預けることができる社会の実現」を求める趣旨で、関西の翻訳業の４０代女性が呼びかけた。２月２９日の衆院予算委員会で安倍晋三首相がブログについて「匿名なので、実際にどうなのか確かめようがない」と答弁したのを知り、インターネットの署名サイトで今月４日に開始。９日午前１０時半までに２万７６８２人分が集まった。

　山尾氏は「悲鳴に共感する声が強烈なスピードで広がっている現実が問題だ」と指摘。子育て支援の取り組みを急ぐよう訴えた。

　塩崎氏は「山尾委員も安倍総理も全く同じ方向を向いていて、子どもをみんなでしっかり育てていこうと同じ思いでいるはずだ」と答弁。収まらない山尾氏が保育所に入るための「保活」の実態を調べるよう求めると、塩崎氏は調査を約束し、急きょ署名を直接受け取ることも決めた。

　大きな反響を呼んだ「保育園落ちた日本死ね！！」というブログ投稿。９日、“保育園に落ちた”母親たちが、現状を知ってもらうため、署名を提出しました。

　「安倍首相ですとか、やじをお言いになった皆さんを含めて、ぜひご覧になっていただければ」

　提出された署名は２万７６８２人分。話題となった匿名ブログに対し、安倍総理が「確認しようがない」などと述べたこともあり、ネット上では「＃保育園落ちたの私だ」と反発する多くの声が上がり、署名はわずか６日間で集まりました。

　一方、「保育士辞めたの私だ」など、保育士の側からも労働環境の悪さを指摘する声が上がっています。

「保育園落ちた」ブログ共感の母親ら、民主・山尾議員と面会

「保育園落ちた、日本死ね!!!」と書かれたブログに共感した母親らが、2万7,000人分の署名を塩崎厚生労働相に手渡し、待機児童の解決を訴えた。
母親は「認可保育園、認証保育園、認可外保育園、全て今のところNGをもらっていて、今月末で育休が切れてしまいます」と話した。
塩崎厚労相は「女性の活躍と子育て支援は、安倍内閣としても、最優先課題として取り組みます。実態調査もやりたい」と述べた。
2月、匿名で投稿された「保育園落ちた、日本死ね!!!」と題されたブログに共感した母親たちは、9日、およそ2万7,000人分の署名を、塩崎厚労相に手渡した。
塩崎厚労相と面会した母親たちは、認可外の保育園に入れなかった経験や、競争率の厳しさから、予定より職場復帰を早めたケースなどを訴え、待機児童問題の1日も早い解決を求めた。
塩崎厚労相は、「署名を安倍首相とも共有する」と述べたうえで、保育園に子どもを入れるための「ポイント」の制度を含めた、いわゆる「保活」に関する実態調査を、早急に行うことを明らかにした。
一方、この母親らは、塩崎厚労相を訪ねるのに先立ち、国会での質疑で、この問題を取り上げた民主党の山尾 志桜里議員と面会し、待機児童の解消を求める、およそ2万7,000人の署名を手渡した。
母親らは、「保育所落ちた。日本死ね!!!」などとする匿名のブログに共感して集まったもので、子どもを抱えながら、訴えに賛同した分厚い署名の束を、山尾氏に手渡した。
山尾氏は、2月の予算委員会で、匿名のブログについて、「言葉は荒っぽいが、本音なんだ」などと述べて、安倍首相を追及していた。

公明党・石田政調会長、待機児童をめぐるブログの表現に不快感

待機児童をめぐるブログの表現に、不快感を示した。
公明党の石田政調会長は、9日に会見し、「保育園落ちた、日本死ね!!!」と題した匿名のブログについて、「保育園に落ちた」という部分と、「日本死ね」という部分は、分けて考える必要があるとの考えを示したうえで、「保育園に落ちた」という部分については、「待機児童の問題として、真摯(しんし)に受け止めていかなければならない」と述べて、待機児童の解消に向けて、政府・与党で取り組んでいく考えを強調した。
一方で、「日本死ね」という部分については、「わたしは、いただけないというふうに思います」と不快感を示した。

＜保育園落ちた＞野党の批判相次ぐ　首相「確認できぬ」発言

　「保育園落ちた日本死ね！！！」と題した匿名のブログを巡り、安倍晋三首相が「本当に起こっているか確認しようがない」と述べた発言に対し、民主党の安住淳国対委員長代理は９日の記者会見で「首相をはじめ、問題の深刻さを分からない人間が政権を運営している」と指摘した。

　維新の党の石関貴史国対委員長も会見で、政府に対し「子育てが困難な環境となっているこれまでのやり方を根幹から見直す必要がある」と求めた。首相の発言は、民主党の山尾志桜里衆院議員が先月２９日の衆院予算委員会で待機児童問題に対応を求めたのに対するもの。