米マイクロソフトがスマホ事業縮小、1850人削減へ
[ヘルシンキ 25日 ロイター] – 米マイクロソフト<MSFT.O>は25日、スマートフォン(スマホ)事業を縮小し、フィンランドを中心に1850人を削減すると発表した。評価損9億5000万ドルを計上する。スマホ事業を「合理化」し、フィンランドの研究開発施設は閉鎖するという。
スマホ用基本ソフト(OS)である「ウィンドウズ10モバイル」の開発と、ノキア<NOKIA.HE>のスマートフォンブランド「ルミア」のサポートは継続する。ただ、スマホの新製品を開発するかどうかについてはコメントを避けた。
ナデラ最高経営責任者(CEO)は声明で「差別化ができる分野での携帯電話事業に特化する」と言明。「すべてのモバイルプラットホームにまたがって、各デバイスやクラウドサービスにおける技術革新を継続する」と述べた。
マイクロソフトは2014年、同国の通信機器大手ノキアから携帯電話事業を買収した。ただ事業を好転させるには至っておらず、同部門は昨年75億ドルの評価損を計上。18日には初心者向け電話の事業を3億5000万ドルで売却すると発表したが、「ルミア」の開発は継続するとしていた。
米マイクロソフトがノキア携帯事業を買収、モバイルで新たな賭け
2013年9月3日
[ヘルシンキ 3日 ロイター] – 米マイクロソフト(MSFT.O)は3日、フィンランドのノキアNOK1V.HEの携帯電話事業を54億4000万ユーロ(72億ドル)で買収すると発表した。買収取引の終了後、ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)がマイクロソフトに復帰することになる。
2010年にマイクロソフトからノキアのCEOに就任したエロップ氏は、退任の意向を表明しているマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOの後任候補の1人と目されている。
バルマー氏は「デバイスとサービス」の会社への転換を推進してきたが、モバイル機器の革命に乗り遅れたと批判されてきた。マイクロソフトは2012年にタブレット端末「サーフェス」を発売しモバイル市場に参入したものの、売り上げは伸びていない。
ノキアの携帯電話事業買収によって、マイクロソフトは過熱するモバイル市場の競争にさらに身をさらすことになる。投資家の一部は、従来の中核事業であるソフトウエアとサービスに引き続き注力するように求めている。
物言う株主グループとして知られるバリューアクト・キャピタル・マネジメントは、バルマー氏の指導力と、利益率が低く競争が厳しいモバイル機器に傾注することに対して懸念を示してきた。
ただ、バルマー氏の積極的な戦略を支持する声もある。
CCSインサイトのジョフ・ブレイバー氏は、「これは壮大かつマイクロソフトに必要な賭けだ。ウィンドウズ・モバイル・フォンが何年にもわたり不発だったが、今やり方を変え、ソフトウエアとハードウエアの両方を支配しようとしている」と述べた。