個人情報をFC経営者が悪用 セブン-イレブンに賠償提訴
コンビニエンスストアを経営する男に店で盗み見られた個人情報を悪用されて現金や性的関係を要求されたとして、首都圏在住の20代の女性が23日、店の運営会社のほか、フランチャイズチェーン(FC)契約を結ぶセブン-イレブン・ジャパンを相手に、436万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。女性の弁護士は記者会見で「同じ被害者が出ないように個人情報の管理体制を見直してほしい」とセブン社に対応を求めた。
訴状によると、女性は昨年5月、首都圏の店から宅配便を送った後、知らない男から電話があった。住所を言い当てられたほか、現金10万円や性的関係を要求された。女性は危険を避けるため、やむなく転居したという。
電話の男は40代のコンビニ経営者。別の女性に対する強姦(ごうかん)容疑で逮捕され、提訴した女性への恐喝未遂罪なども併せて起訴された。取り調べで「宅配伝票をスマホで撮影した」と供述したという。東京地裁は昨年10月、「経営者の立場で得た個人情報を悪用し、強い恐怖感を与えた」として懲役6年の実刑判決を出した(確定)。
原告の女性側はセブン社と交渉したが、「(男の)使用者ではない」と拒否されたため提訴。訴状で「セブン社はFC加盟店経営者を実質的に指揮監督する立場だ」と主張している。セブン社は「訴状が届いておらず、詳細は確認中。加盟店の元従業員(元経営者)が起こした事件ではありますが大変遺憾に思っております」とコメントした。
FC加盟店の不正行為の責任をコンビニチェーンが負うかどうかを巡っては、大阪高裁が2001年7月、ぬれた店の床で客が転んでけがをした事案で「客が滑って転ばないように加盟店を指導する義務があった」と賠償を命じた判決がある。
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