クウェートで気温54℃観測 猛暑で生存不能に 世界最高気温の可能性も
この夏、暑さの記録に、歯止めがかかりません。
5月にはインド史上最高気温となる51℃が観測され、7月には北極圏で過去最高となる29℃まで気温が上がるなど、世界各地は前例をみない暑さに見舞われています。
地球全体で見ても、先月は20世紀の平均よりも0.9℃も気温が高くなり、観測史上最も暑い月となりました。これで地球は、14ヶ月連続で最暑月の記録を更新し続けています。
そして21日(木)には、中東・クウェートのミトリーバで、気温54.0℃が観測されました。世界気象機関が現在、観測値を検証中ですが、もしこの数字が確定すると、世界史上2番目の高温記録となります。
ちなみに、同日には、イラク・バスラで53℃という、同じような高温が観測されているので、この数字はおそらく確定すると思われます。(追記:26日、国際気象機関が54℃の記録を確定しました)
世界史上最高温度の可能性も
現在の世界気温の最高記録は、1913年7月10日にアメリカ・デスバレーで観測された56.7℃です。しかし、科学者たちはこの数字に懐疑的です。
というのも、この日デスバレーの周辺ではそこまで気温が上がっていなかったことから、測器に問題があったのではないかと考えられているからです。
もし後に、デスバレーの記録が無効になるようなことがあるとすると、今回のクウェートの気温は、2013年にデスバレーで観測された54.0℃と並んで、世界史上最高気温となる可能性があります。
中東で生存不可能になる恐れ
スイスの大気気候研究所によると、このまま温暖化が進むと、2100年までに中東の一部(ペルシャ湾)の地域で人が住めなくなるかもしれないといいます。アメリカの研究者もまた、クウェートやアラブ首長国連邦などで、気温が60℃に達する恐れがあるとも予測しているのです。こうした急激な気候変化に対して、対策が急がれます。