ANAが乗客の荷物を積み込まないまま出発 乗客には事後報告
お盆の帰省客で混雑する8月12日朝、羽田空港から飛び立った全日空(ANA)の飛行機の一部が、乗客の荷物を積まないまま出発したことがわかった。ベルトコンベアーのトラブルが原因で、多数が影響を受けている模様だ。
乗客が預けた荷物を運ぶベルトコンベアーの不具合が午前6時25分に発生。一部の便で荷物を機体に詰め込めなかったという。不具合は1時間10分後に解消したが、北海道や九州方面に向かう予定だった19便に30分以上の遅延が発生。約5500名が影響を受けたという。
このうち何人分の荷物が載せられていないかは「確認中」。搭載できていない荷物は「あとの便で送る対応をしている」そうだ。乗客と思われる人たちのツイッターを見ると、荷物を積んでいないことが周知されないままに飛び立ったケースがあるようだ。
ANA広報担当者は「告知なしで飛び立ったという話があることは把握はしている。空港でどのような対応がされたかは確認中」と話した。
家族4人で実家に帰省するため、羽田発・岡山便の飛行機に乗っていた男性によると、出発時には「機内で荷物の詰め込みが遅れているため、出発が遅れている」というアナウンスがあったという。到着は5分遅れた。そこで初めて、「ベルトコンベアーのトラブルで機内に積んでいない状況」であることを知らされた。「全部の荷物がそもそも積んでいないと言っていました。ざわつきますよね。特に怒る人はいなかったけど」
機内はほぼ満席だった。ANAのホームページによると、当該機の座席数は270席だ。男性はスーツケースを1つ預けていた。その後、荷物受取所で住所と名前と電話番号を書かされたという。届いた時点で連絡があるというが、「いつ届くかもわからない」と伝えられた。お詫びとして5千円を受け取ったという。
「幸い僕らは今日どこかに旅行に行くわけではなかったからよかったけれど、これから旅行入る人はキツいなぁと思います。(事後報告に関しては)最初は『えっ』て思ったんですけど、混乱を防ぐためだったんだろうなぁと理解しました」