客に客引き…歌舞伎町のぼったくり犯逮捕
新宿・歌舞伎町のキャバクラ「CLUB Cenote(クラブ・セノーテ)」で、客に不当な高額料金を威圧的に請求し、客引きなどの労働を強制したとして、警視庁は24日までに、都ぼったくり防止条例違反と労働基準法違反の疑いで、店員の西山明容疑者ら5人を逮捕10+ 件した。客の男性は静岡県の富士山付近まで逃げていたところを保護。この店と同じ名前の店は優良店として知られていたが、昨年、店名はそのままに急にぼったくりに変わったと、歌舞伎町で話題になっていた。
「ぼったくりキャバ」の恐怖の手口が、警視庁の捜査で明らかになった。
保安課と新宿署によると、逮捕10+ 件容疑は昨年12月1日、新宿・歌舞伎町1丁目のクラブ・セノーテで、接客した女性従業員らが飲んだ身に覚えのない代金51万円について「払えない」とした被害者の男性(32)を取り囲み「金払わなかったら帰れるわけねえだろ。今すぐ払え、今すぐだ」と威圧的な態度で請求した疑い。
さらに、男性の勤務先に解雇するよう伝えた上で、男性の手足を押さえ付けて腹を殴り「お前は解雇になった。ここで働くしかないんだよ」と脅して強制的に働かせた上、「もう分かってると思うけど、逃げたら本当に殺すからな」などと脅迫し、男性に客引きや店内の掃除などの労働を続けるよう強制した疑いもある。
逮捕10+ 件された5人は調べに対し、いずれも「ぼったくりではない」と容疑を否認しているという。
男性は歌舞伎町の別の店で飲食後の1日早朝、客引きの紹介でこの店に入店。飲食中に眠ってしまい、同日昼ごろに目が覚め、請求を受けた。従業員寮に住み込んで働くよう強制されたが、2日朝に逃げ出し、静岡県の富士山周辺で保護されたという。警視庁は、同店は昨年11月に開店したとみており、これまでに高額な料金請求などの苦情が51件寄せられていた。
歌舞伎町の複数の飲食店関係者らによると、同店と同名のキャバクラが同じテナントで数年前から営業。大規模店ではなかったが、大手キャバクラ情報サイトにも掲載されている優良店として知られていた。しかし、昨年から、同じ店名のまま急にぼったくり店に変わった店の1つとして、話題になっていたという。
◆新宿歌舞伎町のぼったくり 新宿署は昨年1年で客引き30人を摘発。昨年10月以来、ぼったくり店も3店舗を相次いで摘発しており、今回で4店舗目。90年代のぼったくり横行を受け、00年に都ぼったくり防止条例が施行。取り締まり強化を受け、沈静化したとみられたが、再び増加傾向にある。署には1月、被害を受けたとする110番通報が前年同月の6倍以上の198件あったという。